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相続を巡る社会状況① | 品川・西小山相続相談センター運営のブログ

相続を巡る社会状況①

2020年09月02日

カテゴリ:未分類

2017年10月現在、日本の総人口は1億2,671万人、65歳以上の高齢者人口は3,515万人、総人口に占める割合(高齢化率)は27.7%です。(内閣府「平成30年版高齢社会白書」全体版)平均寿命は84.2歳(男性81.1歳、女性87.1歳)で、世界最高の長寿国です。(世界保健機構(WHO)が発表した世界保健統計2018)今後、高齢化社会は進み高齢化率は2035年に33.4%(3人に1人)、2060年には39.9%(約2.5人に1人)が65歳以上の高齢者となる社会が到来すると予測が公表されています。このように高齢化が進むと相続について次のような状況が生じてきます。

第1に相続人の増加です。相続人が高齢化することで相続人となるべき親族が先に亡くなくなる事も多くなり孫や甥・姪が被相続人の遺産を相続するケースも増えます。(これを代襲相続と言います。)相続人の数が増えればそれだけ話し合いはまとまりにくくなります。孫や甥・姪は子や兄弟ほ関係が密ではなく、相続人との関係も薄く互いに日常的な交流もほとんどないでしょう。そのような状態で相続の時に初めて顔を合わせたとしても、それぞれの事情や考え方を理解することができず、簡単には意思の疎通を図ることができません。また、配偶者と死別あるいは離婚した後に高齢者が再婚をすることも多くなっていますが、再婚がなければ子供たちが取得した財産を、配偶者とその子供たちが取得にすることになり、相続のトラブルをより複雑化させます。

第2に、相続人が高齢化することによって、相続人の中に判断能力を欠く人も含まれる可能性が高まり、遺産分割の協議がまとまりづらくなります。

第3に高齢になれば一般に不動産を中心とする資産が増えていきます。不動産保有の状況をみても、常時居住世帯のある住宅のうち、61.9%が持ち家住宅です。持ち家世帯率に占める家計主の年齢層を見ても、年齢層が高くなるほどその割合も高くなり、65歳以上では8割以上となっています。(総務省統計局の「平成25年住宅・土地統計調査」) 資産が増え不動産の保有率が高くなると、分割しづらい資産が大きくなり、分割に支障をきたすことになります。

第4に相続人が将来に対する不安を持たざるを得ないことです。人は年齢を重ねるごとに、それまでとは異なった将来の不安を抱えます。全国の60歳以上の男女へのアンケート調査によれば、将来の日常生活に関して不安を持つ項目として、「自分や配偶者の健康や病気のこと」(67.6%)、「自分や配偶者が寝たきりや 身体が不自由になり介護が必要な状態になること」(59.9%)、「生活のための収入のこと」(33.7%)という数字が出ています。(内閣府による2014年10月「高齢者の日常生活に関する意識調査」) 高齢化への不安は、遺産に期待する意識の 高さにつながります。遺産を将来の不安解消への資産取得の」チャンスと捉える考え方が強ければ強いほど、遺産分割にあたっての相続人のこだわりが大きくなっていくということになります。