相続人が複数である場合は、複数の相続人によって、資産を分けなければなりません。しかし、相続を巡る社会状況①で説明させていただいたように、相続人の数が増加し、相続人の間の考え方が相違しており、多くが資産形成のチャンスと捉えている状況などから、高齢化社会のもとで、遺産分割のトラブルは年々深刻になってきています。 最高裁の司法統計によると2016年1月~11月に全国の家庭裁判所が受けた訴訟や審判、調停などの件数は計93万9,992件(速報値)で前年同期を5万件超上回っています。(離婚・相続などの親族間の問題が調停や審判として家庭裁判所に持ち込まれる「家事事件」について2016年の件数は1949年の統計開始以来、初めて100万件を超え、遺産分割の調停については約1万2,000件と10年間で3,000件近く増えています。(2017/2/9日本経済新))
家庭裁判所の持ち込まれる調停や審判の件数は、2018年(平成30)年は、1万5,706件と前年より減少したものの、高齢化の影響等により、長期的に見れば増加傾向にあると思われます。(遺産分割事件の新受験件数の推移)