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前回は代理権委任についてお話をしました。信頼できる人に賃貸借契約の締結等の権限(代理権)を与えておけば、突然認知症になられた場合でも、成年後見人が選任されるまでの間はその人(受任者)に契約締結事務を行っていただくことができます。それが実現できるのが「代理権の委任」です。
ただ、代理権委任は、オーナー様の財産管理全般を委任するものではなく、あくまで「成年後見人が選任されるまでの間」の繋ぎのようなものであるともお話ししました。それではその「成年後見人」とは何でしょうか？今回は紙幅が狭いため、少しだけご説明します。

成年後見人は、認知症などで判断能力が不十分になった人の権利を守るために、ご本人の代わりに契約等の法律行為をしたり、ご本人がしてしまった不利益な法律行為を取り消したりする権限が与えられた人のことを言います。認知症の方は判断能力が低下し、悪徳業者の被害に遭いやすくなります。そのような被害にあった場合に、成年後見人はご本人が結んでしまった悪徳業者との契約等を取り消すといったことができるのです。 次回から何回かにわたって、この成年後見制度について触れてまいります。本当はもっと書きたいのですが、十分なスペースがなく残念です。次回からよろしくお願いします。