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成年後見人制度とは??②~法定後見制度とは?~ | 品川・西小山相続相談センター運営のブログ

成年後見人制度とは??②~法定後見制度とは?~

2024年04月02日

カテゴリ:未分類

前回はさわりだけになってしまいましたが、今回も成年後見制度についてお話しします。成年後見制度は、認知症や精神障害等により判断能力が衰えた方の権利擁護を図る制度であると前回お話しいたしました。成年後見制度には、「法定後見制度」と「任意後見制度」の2種類があります。「法定後見制度」は、既に判断能力が衰えてしまった人を支援する制度で、「任意後見制度」はまだ判断能力が衰えていないうちに、後見人を定めて契約をしておく制度です。つまり、判断能力が衰えてしまった「後」に使えるのが「法定後見制度」、衰える「前」に使えるのが「任意後見制度」ということになります。
今回は主に法定後見制度について説明いたします。

●成年後見制度の3つの理念
自己決定権の尊重、身上配慮義務、ノーマライゼーションの3つが基本理念です。「自己決定権の尊重」は、なるべくご本人の意思を尊重しよう、というものです。「身上配慮義務」は、ご本人の心身の状態や生活状況に配慮しよう、というものです。「ノーマライゼーション」は、特別扱いせずに接しようというものです。

●法定後見制度の3類型
「法定後見制度」は判断能力の度合いに応じて①後見、②補佐、③補助の3つの類型に分かれています。大まかに言いますと、①後見は判断能力が全くない場合、②補佐は難しいことがわからない場合、③補助は判断能力があるが不安がある場合です。そして、判断能力のない人(ご本人)を支援する人をそれぞれ成年後見人、保佐人、補助人と言います
(以下、これらを総称して「後見人等」と呼びます)。

●後見人等は何をするのか?
大きく分けて、ご本人の預貯金や不動産等の財産の維持管理、生活費の管理等を行う「財産管理」と、ご本人の施設入所手続き、病院の受診、介護契約の締結といった療養看護支援を行う「身上監護」があります。

●法定後見制度を利用するには?
家庭裁判所へ申立てが必要です。申立てできる人は誰でも良いわけではなく、法律で決められております。具体的には、ご本人様、配偶者、4親等以内の親族(いとこ、大おじ・大おば、玄孫までは4親等です)、市区町村長等です。

●申立てに係る費用は?
申立てに係る費用は、印紙代や郵便切手代等で1万円程度ですが、医者による判断能力の鑑定が必要な場合は10万円程度、また司法書士等に依頼した場合には専門家への報酬が別途かかります。

●後見人等はどうやって決まるのか?
 家庭裁判所が決めます。申立て時に申立する人が後見人等になってほしい人(親族等)を挙げることができますが、その希望者が後見人等に選ばれるとは限りません。令和5年、厚生労働省が発表した「成年後見制度の現状」によると、親族が後見人等に選任されたのは2割に満たず、8割強は司法書士や弁護士等の専門家が選任されております。ただ、2019年に最高裁が「成年後見人は親族が望ましい」との見解を示しておりますので、今後親族の割合が増えてくるかもしれません。
 

なお、一度後見人等になったら勝手には辞められません。後見人等が病気になる等のやむを得ない場合には家庭裁判所の許可を得て辞めることができます。

●後見人等になれる人、なれない人
 後見人等になるための資格は特段ありませんが、未成年者や破産している人はなれません。

●後見人等の報酬は?
 ご本人から報酬を得ることができますが、報酬金額は家庭裁判所が決めますので、勝手には決められません。報酬金額は、概ね2万円から6万円程度です。

いかがだったでしょうか?次回も引き続き成年後見制度について説明いたします。